劇場型犯罪の別府3億円保険金殺人事件。保険金殺人でマスコミがセンセーショナル報道!
生活の安心と安心を買う保険金ですが、大金に目がくらんで詐欺事件を起こす人間もいます。日本で起こった高額な保険金殺人事件について紹介します。
目次
- 別府3億円保険金殺人事件とはどんな事件?
- 助かった夫は、どんな男?
- 保険金殺害疑惑が浮上した訳は?
- マスコミの報道で劇場型犯罪となった別府3億円保険金殺人事件
- 別府3億円保険金殺人事件の裁判で明らかになったこと
- 捕まった 男のその後は?
- 別府3億円保険金殺人事件は、とある事件が参考にされていた
- エドワードケネディが警察に通報できなかった3つの理由
別府3億円保険金殺人事件とはどんな事件?
1974年に起こった大分県別府市で起こった保険金殺人事件。
事件のあらまし
夜中、家族でドライブしていた車が、海上に落下。
不動産経営の夫(当時47歳):海面を泳いでいたところを救助
妻(当時41歳):溺死
長女(当時12歳):溺死
次女(当時10歳):溺死
長男(当時15歳):ドライブに行かず、自宅におり生存
死亡した、妻、長女、次女の三人には、保険金が合計3億1000万円かけられていた。月々の保険料は10万以上になっていました。
助かった夫は、どんな男?
不動産経営者の男は、この事故を起こす前も、保険金詐欺などの事件を起こしています。
・恐喝罪(1949年):内縁関係の女性堕胎を医師させたが、その医師を医師法違反などで恐喝
・放火保険金詐欺事件(1950年):最高裁で懲役8年(恩赦で6年)
・傷害罪:友人の妻を巡ってトラブルを起こす。
服役は数回に渡り、ついたあだ名が、九州一のワル。
保険金殺害疑惑が浮上した訳は?
男が引き起こした家族3人死亡の自動車事故は、保険金殺害疑惑が持ちあがります。
・死亡した妻、長女、次女、生存の長男は高額な死亡保険金が掛けられていたが、男には死亡保険金がかけられていなかった。
・長女、次女、長男は、妻の連れ子で男との血縁がなかった。
・ドライブを提案したのは男(長男の証言)
・男は妻が運転していて事故を起こしたと証言したが、男が運転していた可能性が高い。
マスコミの報道で劇場型犯罪となった別府3億円保険金殺人事件
別府3億円保険金殺人事件は、カラーテレビが普及した日本で警察逮捕前から保険金殺害疑惑をマスコミが報道した最初の事件と言われています。
保険金請求を保険会社にした男の主張:「死ぬかもしれない危険を冒してまで保険金殺人をするわけがない。できるというのなら、お前もやってみろ」
保険会社:「警察の事故証明が必要」
警察:「事故か作為的かまだ判断できない」
ワイドショーへの出演
男は『3時のあなた』へ出演。ゲストの発言に激怒し、席を蹴って退場。
そして、逮捕へ
『3時のあなた』出演終了後の同日17時、殺人容疑で逮捕。
別府3億円保険金殺人事件の裁判で明らかになったこと
海中から引き揚げられた車から分かったこと
・車の水抜き孔が外され、沈みやすくなっていた。
・車のルームミラーが、取り換えられ外れやすいものになっていた。
・ダッシュボードに脱出用の窓ガラスを割る金づちが入っていた。
・男が運転するのを、近所の人間が見かけていた
・妻の膝についてい傷と、助手席のダッシュボードの傷が一致した。
・男は、近所の人間の証言を覆すため、走行経路を述べるが、その夜は走行不可な道だった。
捕まった 男のその後は?
1980年:死刑判決
1987年:男はがんになり医療刑務所へ
1989年:死亡(享年61歳)
別府3億円保険金殺人事件は、とある事件が参考にされていた
刑務所仲間の証言で、男は、別府3億円保険金殺人事件は「チャパキディック事件をヒントにした」と打ち明けられたと証言。
チャパキディック事件
マサチューセッツ州チャパキディック島で起こった飲酒運転、薬物摂取、および死体遺棄事件。事故を起こしたのは、ケネディ家9男の末っ子、エドワード・ケネディ。
夜、パーティー会場を抜け出し、同乗者(女性)を乗せて車を運転していたエドワード・ケネディは、橋から車ごと転落。自身は脱出したが、同乗者は行方不明になりました。しかし、エドワードは警察や海上警備隊などに通報を行わずパーティー会場に戻り、他の参加者とともに明け方まで行方不明になった友人の捜索を行います。しかし、その時も警察等に通報されることはありませんでした。
エドワードケネディが警察に通報できなかった3つの理由
1つめ:飲酒運転をしていたため、事実を隠したかった。
2つめ:薬物使用の事実を隠したかった。
3つめ:同乗者の友人との不倫関係を隠したかった。
エドワードは警察から飲酒運転と救難放棄で起訴されますが、示談が進んでいることや医師の「精神的ショックでの逃亡」という診断が でたため、執行猶予付き禁固2年という判決が下りました。
事実上無罪に等しいこの判決に、マスコミや世論が反発。エドワードは永久に大統領選の道をとざされることになりました。